【イベントレポート】TechCrunch Tokyo 2015 #1 : セッション参加報告

山戸一郎
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こんにちは!UXデザイナーの山戸です。現在私はリクルートマーケティングパートナーズでカーセンサーのUXデザインを担当しています。

先月の11月17日(火)、11月18日(水)とTechCrunch Japan主催の「TechCrunch Tokyo 2015」に参加してきました。弊社もスポンサーとして参加しておりました。

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TechCrunch Tokyo とは

TechCrunch TokyoはTechCrunch Japanが主催する国内外のテック業界のキーパーソンや注目スタートアップの起業家などをお呼びし、テクノロジービジネスの話題やスタートアップの現在について講演やパネルディスカッションを行うイベントです。

TechCrunch Tokyo 2015

今回は山戸がセッションを聞いた中で特に印象的だった99designsにおけるユーザー価値設計について以下ご紹介いたします。

99designsのCEO、Patrickさん
99designsのCEO、Patrickさん

1. 99designsとは?

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99designsは2008年にオーストラリアのメルボルンにて始まったデザインを中心としたクラウドソーシングサービスです。

設立当初は、インフォーマルなデザインを投稿し、投稿したデザインに対して投票するという仕組みがありました。その仕組みを育てていった結果、現在では世界中のデザイナーから1.5秒に1件デザインが投稿される規模にまで成長したとのこと。

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※余談ですがdockerのくじらロゴ(!)も99designsにて投稿されたデザインだそうです。

2. 99designsの強み

領域特化型や水平型など様々なクラウドソーシングサービスがある中で、99designsの強みとは何なのでしょうか?

Patrickさんによれば、99designsユーザーのフリーランスデザイナーが抱える課題は以下の二点。

  • デザインの仕事を探すこと
  • 探した仕事から集金すること

99designsではとにかくこの課題をスムーズに解決できるよう注力しているとのことでした。クラウドソーシングはサービスの特性上、最終的に決まるデザイン案は一つだけとなることが殆どです。つまりデザイナーからすれば全てのデザインが採用されるとは限りません。しかし、99designsはデザイナーは(採用されないこともあるけれども)デザインをする行為に集中できるという選択肢を用意することで、明確な価値をユーザーに提供できている、と感じました。

3. 99designsのローカライズ戦略

ではユーザーとなるデザイナーへの価値提供をするにあたって、何に気をつけているのでしょうか?
Patrickさんによれば、ユーザーに価値提供する上で大切なのは、コミュニテイを作り、コミュニティの中の人達から何に困っているか、何が欲されているかを学ぶことだそうです。この『コミュニティを大事にする』という考えは、99designsがグローバル展開する際にも現れており、利用するユーザーの信頼を得るために現地サポートのローカライズにはすごく気を使っているとのことでした。

具体的には、郷にいっては郷に従え という考えのもと、文脈に合わせてビジネスするためにローカルの人を採用し、ローカライズを行うとのことです。

この点はグローバルにビジネスを行うにあたって、その国の言語に対応すればネットサービスのローカライズはある程度完了するのでないかと考えていたため、非常に勉強になりました。

まとめ

普段自分たちの担当サービスにおけるユーザー体験を設計する上で、事前・事後のユーザー調査は行っているものの、コミュニティを作り、コミュニティから継続的に学び続けてサービスを改善する発想はあまりなかったので、とても参考になりました。

日々、私はサイトの定量的なログデータを元に以下のようにして改善サイクルを回しています。

  • 改善計画を立てる
  • 案件実施後に指標がどう変化したか振り返る

定量的なデータから学べることは多い一方で、定量的なデータだけでは、ユーザーによるプロダクトの使用感は見えてきません。そこで、まずは社内にいて、他プロダクトを担当している仲のいい同僚にプロダクトを客観的に触ってもらうところを観察することを習慣づけることで、擬似的に「継続してユーザーからプロダクトのフィードバックをもらう」サイクルを作り、さらにプロダクトをよくする兆しを掴んでいこうと感じました。

以上、山戸からお送りさせていただきました。